古城で“過去と向き合う”静かな物語体験
はじめに
今回レビューするのは、古城を舞台にしたミステリーアドベンチャーゲーム
『ダークオークション』です。
推理・ミステリー系ゲームの中でも、アクション性より
物語・世界観・演出重視の作品を好んで遊ぶ私にとって、
「古城」「オークション」「過去にまつわる品」という要素はとても魅力的に映りました。

本記事では、
前半にネタバレなしのレビュー、
後半にネタバレありの感想という形で、
終章までプレイした正直な感想をまとめています。
レビュー(ネタバレなし)
どんなゲーム?
『ダークオークション』は、
古城に集められた参加者たちが、それぞれの目的を果たすために
“家族や過去に縁のある品”を競り落とすオークションへ挑む
ミステリーアドベンチャーゲームです。

探索と会話を中心に物語が進行し、
プレイヤーは主人公として古城の中を巡りながら、
登場人物たちの過去や事情に触れていきます。
以下の記事でも紹介しています。
ゲーム概要
- タイトル:ダークオークション / Dark Auction
- ジャンル:本格ミステリーアドベンチャー
- 対応機種:Nintendo Switch / PlayStation 5 / PC(Steam)
- プレイ時間:約20時間
(フルボイスをすべてしっかり聴くと、さらにかかる印象) - プレイ時期:2026年2月
- クリア状況:終章までクリア

探索パートとオークションパートを繰り返しながら、
少しずつ物語の全体像が明らかになっていきます。
良かった点
世界観と設定の魅力
「古城に閉じ込められた参加者たちが、
自分や家族に深く関わる品を競り落とすオークションに挑む」
という設定はとても惹きがありました。

全体の雰囲気、色味、音楽、キャラクターイラストも統一感があり、
静かでどこか不穏な空気感が終始保たれています。
豪華なフルボイスと声優陣
ほぼフルボイスで進行する物語は没入感が高く、
私の世代に刺さるベテラン声優さんたちの演技が印象的でした。
特に
河西健吾さん、浪川大輔さん、石田彰さん、速水奨さん
の存在感は強く、キャラクターの個性をしっかり支えていたと思います。

一本道で遊びやすい構成
探索パートはほぼ一本道で、
オークションパートも難易度は低めです。
詰まることなく進められるため、
「ゲームを遊ぶ」というより
小説を読む感覚で物語を追える点は、この作品の長所だと感じました。
気になった点
テンポの悪さ
内容の重複や、頻繁に挟まるロードの影響で、
テンポが悪く感じる場面がありました。
じっくりした雰囲気が好きな人には合うと思いますが、
物語をテンポよく進めたい人にはややストレスかもしれません。
3D表現と探索要素の弱さ
イラストがとても素敵な分、
3Dのぎこちなさが目立ちました。

また、3Dならではのギミックや仕掛けはほとんどなく、
移動が作業的に感じられたのも残念です。
個人的には、いっそ全編イラスト表現でもよかったのではと思いました。

推理・謎解き要素は控えめ
オークションパートは
「謎解き」というより情報整理に近い印象です。
難易度はかなり低く、
勘や選択の余裕もあるため、
推理ゲームとしての歯ごたえはあまり感じられませんでした。

総合評価
設定や世界観、演出面はとても魅力的で、
雰囲気重視のアドベンチャーとしては楽しめる作品です。

一方で、
推理や謎解きを強く期待していると
物足りなさを感じる可能性は高いと思います。
どんな人におすすめ?
- 雰囲気や世界観を重視したミステリーADVが好きな人
- 難しい操作や謎解きが苦手な人
- フルボイスで物語をじっくり楽しみたい人
逆に、
「自分で推理して事件を解決したい」
「謎解きの達成感がほしい」
という人には、やや合わないかもしれません。
感想(ネタバレあり)
※※ここから先は物語のネタバレを含みます※※
未プレイの方はご注意ください。
プレイ前の印象
原作・シナリオが
『アナザーコード』『ウィッシュルーム』で知られる
鈴木理香さんということで、発売前からかなり期待していました。
古城が舞台で、3D表現もあるということで、
探索やギミックを楽しめる作品だと思っていたのが正直なところです。

印象に残ったシーン・展開
正直に言うと、期待していた分、肩透かしに感じた場面が多かったです。
古城が舞台であるにもかかわらず、探検要素やギミックはほとんどなく、
「3Dである意味は何だったのだろう」と感じてしまいました。
「自分で探索する楽しさ」は感じられなかったです。
オークション成功のために、
ターゲットから過去を聞き出す必要があるのですが、
主人公が踏み込むと割とすんなり話してくれる点に違和感がありました。
命がかかっている状況だからそれが普通とはいえ、
物語としての緊張感には欠けていたように思います。

「一筋縄ではいかない」と言われ続けていた割に、
実際にはほぼ一筋縄で進んでしまい、
もっと心理的な駆け引きが欲しかったと感じます。
オークション後、
キャラクターたちが先人と自分を比べてグッときているシーンがあまり共感できず
疑問が残ってしまい、あれ?ここ感動なのか?いい話なのかな?と思ってしまいました。

自分の子供じゃなくて、他所のじいさんに小遣い渡してステーキ食わせてた親父より
病気の妹のために頑張って働いてたオットーのほうがかっこいいと思ったんですけど…
キャラクターたちの主人公への好感度がいきなり高すぎる気がしました。
主人公は基本一人行動だったので突然グイグイ来られたように感じてちょっと引きました。

というか主人公も引いてるシーンあって笑いました。
エドガーがヤバい
中盤の殺人事件で物語が盛り上がるのかと期待したものの、
捜査や推理をプレイヤーが行えず、
ストーリー進行で解決してしまった点も残念でした。

終盤のSF要素の登場は衝撃的でしたが、
伏線が少なく、
キャラクターたちがすぐ受け入れてしまう展開には
正直ついていけませんでした。

「未来から来たって何!?!?時空警察って何!?!?突然どうしたの!?!?」
ってなってたの私だけですか?
また、暗号が登場する場面でも、すべてキャラクターたちが解いてしまい、プレイヤーが関われなかったのは非常にもったいなく感じました。

強いて好きだったところをあげるとすれば、
朝食が毎回おいしそうなところでしょうか。
物語の進行に関係ないのに謎のこだわりを感じました。
配膳人の正体がわかった後あらためて考えるとちょっと面白いです。

遊び終えての率直な感想
期待値が高すぎた、というのは間違いなくありますが、
それを差し引いても
設定や世界観の良さを活かしきれていない作品
という印象が残りました。
惜しい部分が目立つ内容だったと思います。
キャラクターの言動や感情描写に共感しきれず、
物語に深く入り込めなかったのも残念な点です。
気になる点がいくつも残ったまま終わるため、
「これで終わり?」と思ったのも正直な感想です。
もしかすると、続編を意識しているのかもしれません。
まとめ
『ダークオークション』は、
過去とを知ることで、未来へ道を考える物語
というテーマ自体はとても魅力的な作品です。

ただし、
推理・謎解き要素を重視する人には物足りなく、
雰囲気重視のミステリーADVとして
割り切って楽しめるかどうかが評価の分かれ目になると思います。
最後まで読んでいただき、ありがとうございました!
※本記事は『ダークオークション / Dark Auction』の内容を批評・紹介する目的で執筆したレビュー・感想記事です。
ゲーム内画像は作品紹介のため、引用の範囲内で使用しています。
著作権表記:© IzanagiGames, Inc. / GOOD SMILE COMPANY




コメント