ホラーミステリーADV『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』レビュー&感想

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レビュー(ネタバレなし)

1. 昭和の空気感で描かれるミステリーADV

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、「本所七不思議」という日本の怪談・都市伝説をモチーフにした、推理・ミステリー系アドベンチャーゲームです。
プレイしてまず感じたのは、どこか昭和のサスペンスドラマを思わせるような空気感。私は昭和のドラマをリアルタイムで見た世代ではありませんが、「こういう雰囲気の作品がありそう」というイメージが自然と浮かびました。

暗く重い題材を扱いながらも、会話のテンポが良く、キャラクター同士の掛け合いが心地よいため、終始引き込まれる作品です。

2. ゲーム概要

  • タイトル:パラノマサイト FILE23 本所七不思議
  • 対応機種:Nintendo Switch/Steam/iOS/Android
     ※いずれもダウンロード販売のみ
  • プレイ時間:10時間程度
  • ジャンル:ホラーミステリーアドベンチャー
  • プレイ時期:2026年1月
  • クリア状況:真エンドまで回収

複数の主人公視点で物語が進行し、選択や行動によって展開が分岐していく構成です。
一人称視点でパノラマ的に周囲を見渡しながら調査するシステムが特徴的で、一般的なテキスト主体のADVとは一線を画しています。

パラノマサイト FILE23 本所七不思議
任天堂の公式オンラインストア。「パラノマサイト FILE23 本所七不思議」ダウンロード版の販売ページ。マイニンテンドーストアではNintendo Switch 2 (ニンテンドースイッチ2)本体やソフト、オリジナルグッズ、公式ストア限定商...

3. 良かった点

まず特筆したいのは、物語と会話の面白さです。
話自体は決して明るい内容ではありませんが、各ルートでのキャラクター同士のやり取りが軽快で、暗さ一辺倒にならないメリハリがあります。そのおかげで、重いテーマにも関わらず最後まで気持ちよく読み進められました。

探索パートでは、一人称視点でパノラマ的に視線を動かしながら調査する方式が採用されています。
この「自分の視線で見回す」感覚が新鮮で、ただ画面をクリックしていくタイプのADVとは違った緊張感がありました。パノラマゆえに、視線を動かす行為そのものが意味を持ち、自然と周囲を警戒しながら調査することになります。

また、資料の量が非常に豊富で、世界観の奥行きをしっかり感じられるのも魅力です。
テキスト主体のADVにありがちな単調さを、イラスト差分の使い方や画面構成、話の区切り方でうまく回避しており、プレイ中に飽きを感じることはほとんどありませんでした。

4. 気になった点

一方で、資料が豊富すぎるがゆえに、どこまで読むか迷ってしまう場面もありました。
すべてを読まなくてもストーリーは進められるため、人によっては「読まずに進めてしまった資料が多かった」と感じるかもしれません。

また、一人称視点で見渡す仕様のため、視点操作に慣れていない人や、3D酔いしやすい人は注意が必要だと思います。私は特に上を向く動作のときに、少し酔いそうになる感覚がありました。
タッチ操作・コントローラー操作ともに、若干扱いづらさを感じる場面もあります。

5. 総合評価

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、物語・演出・システムがうまく噛み合ったミステリーADVだと感じました。
操作面で多少のクセはあるものの、それ以上にストーリー体験としての完成度が高く、最後まで一気に遊ばせる力があります。

推理や謎解きが苦手な人でも遊びやすく、それでいてミステリーとしての読み応えもしっかりある、バランスの良い作品です。

6. どんな人におすすめか

  • ストーリー重視のミステリーアドベンチャーを遊びたい人
  • テキストだけでなく演出や画面構成も楽しみたい人
  • 推理ゲームに興味はあるが、難しすぎるのは苦手な人

このジャンルが好きな人なら、ぜひ一度触れてみてほしい一本です。

ヨーコかわいいな


感想(ネタバレあり)

※※ここから先は物語のネタバレを含みます※※
未プレイの方はご注意ください。

1. プレイ前の印象

プレイ前は、「七不思議を調査して解決していくゲームなのかな」という印象でした。
実際に遊んでみると、都市伝説を軸にしたミステリーというより、濃厚なヒューマンドラマと異能力デスゲームが組み合わさった作品で、そのギャップがとても印象的でした。

2. 印象に残ったシーン・展開

最初から面白い作品ではありましたが、複数の主人公たちが交わり始めてから、一気に物語が加速したと感じます。それぞれ独立していた話が絡み合っていく展開は、ミステリー好きにはたまらない部分です。

個人的にお気に入りなのは、津詰刑事のツッコミ。
「少しは着せろ衣を。その爽やかな白い歯に衣を。」や「いや柔らかすぎるだろ。頭。」といった台詞は、倒置法も相まって妙にクセになります。シリアスな場面が多いからこそ、こうしたやり取りが良い緩和剤になっていました。

本来の約子ちゃんに戻った後、急に漢気あるイケメンになって思わず笑ってしまいました。
ミヲちゃんともめっちゃ仲良くなってこのコンビかわいい。

あやめと対峙するシーンでの津詰刑事の姿には、父親としての覚悟を感じて胸を打たれました。
死なないで津詰刑事~!

バッドエンドについても、ただ失敗で終わるのではなく、その先にどんな悲惨な結果が待っているのかがしっかり描かれており、見応えがありました。

そして最後の謎解き。
すぐ分かったはずなのに、カタカナとひらがなを間違えたせいでドツボにはまり、無駄に時間を使ってしまったのは本当に悔しかったです。自分の思い込みにやられました。

ラストであやめが一人だったのも気になっており、その後が気になります。
スピンオフ作品が出たらぜひ遊びたいと思いました。スピンオフお願いします。

3. 遊び終えての率直な感想

真エンド後、多くの命が救われた一方で、「今まで起きた出来事がなかったことになる」切なさも強く残りました。それでも、この世界線でそれぞれが前を向いて生きている描写に、少し救われた気持ちになります。

プレイヤー自身が「見回さなければ真実にたどり着けない」という構造や、最後の答えがまさかプレイヤー自身だったという点も含めて、文字通り“死角を突かれたミステリー”だと感じました。

『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』は、物語を読むだけでなく、プレイヤーの視点や思考そのものを試してくる作品です。
ミステリーゲームを探している人に、自信をもっておすすめできる一本でした。

ちなみになめどりこんな感じでした。残りはどこに…


一言まとめ:プレイヤーの死角を突いてくる、視線と選択が物語に直結するミステリーADV。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

※本記事は『パラノマサイト FILE23 本所七不思議』の内容を批評・紹介する目的で執筆したレビュー・感想記事です。
ゲーム内画像は作品紹介のため、引用の範囲内で使用しています。

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